新着情報

HOME 新着情報 第23回 高校生現場見学会

SCROLL DOWN

2023年01月27日 建築委員会 第23回 高校生現場見学会

2023年1月20日(金)、浜松工業高校建築科の2年生36名(男子26名、女子10名)と教師2名が参加し、㈱林工組・山平建設㈱JVによる施工の浜松市立西部中学校校舎改築工事の現場を見学しました。


〈工事概要〉

工事名:令和2年度 浜松市立西部中学校校舎改築工事(建築工事)

工事概要:校舎棟 RC造3階建て 延床面積 5,564.24㎡


浜松建設業協会の和久田建築委員長と浜松市役所公共建築課の須部課長の挨拶、その後、現場の所長さんより工事についての説明を受けてから、2班に分かれて現場見学を行いました。


<左:和久田委員長/右:浜松市公共建築課 須部課長>


<工事概要説明>

少し寒い日ではありましたが、鉄筋コンクリートの躯体の完成状況とサッシの取付け・内装下地や仕上げなど、いろいろな工程の状況を見る事ができ、生徒達には貴重な経験になったと思います。


<現場見学の様子>

現場見学中もその後の質疑応答の時間でも、例年に比べ積極的に質問する生徒が少なく、最後の浜松建設業協会の杉浦副会長より「災害時に復旧に向けて一番先に現地で作業するのは、地元の建設会社です。皆さんには建築の施工というものに関心を持ってもらうと同時に、地元に帰って地域に一緒に貢献してもらいたい」と伝えた後、恒例の「将来、地元の建設の施工現場で働きたいと考えている人は手を挙げて下さい」との問いかけでも手を挙げたのは30%程度でした。


<左:質疑応答/右:講評 杉浦副会長>

こうしたなかで、生徒からの「建設業での働き甲斐は」という質問に対して、この現場のすべて監督さん、浜工建築課を昨年卒業して林工組に入社した女性社員、公共建築課の方など、いろいろな年代・立場で「建設関係の仕事での働き甲斐」についてお答えいただく話には全ての生徒が真剣に聞き入っている姿がありました。

将来の進路に対する不安や悩みを持っている生徒達に、浜松建設業協会として様々な活動を通じてもっと建設業の魅力を発信していく必要があると感じた一日になりました。

最後に、お忙しい中を準備いただいた現場の関係者の皆様、ご出席いただいた浜松市役所の公共建築課の皆様に感謝いたします。


見学会終了後に生徒さんからいただいた感想文を紹介します。

 1月20日に改築工事中の浜松市立西部中学校の校舎を見学させてもらった。事業経緯、工事起用なども細かく教えてもらいこのような大きな建築物ができる流れも理解できた。西部中学校の改築工事では、まず新校舎を約2年間かけて工事し、新校舎の供用を開始してから既存校舎を解体、設備を整えるとなっていた。見学を始める前に見せてもらった各箇所のイメージ絵ではオシャレで特に木の仕上げの壁が目についた。後で聞いた話では、浜松市からヒノキを積極的に使いましょうということでたくさんヒノキが使われていたことが分かった。
 現場見学では2班編成で回りながら各場所の説明をしてもらった。私たちが見学に行かせてもらった今回はとてもタイミングが良かったので、1階、2階、3階でそれぞれ作業段階の違う状態を見させてもらえた。1階では仕上げが進んでいた状態だった。仕上げの下も見られてとても面白かった。壁はコンクリートで、その中には木が格子状に付けられている状態だった。その木材は、チャックのように凸凹になっており現場では簡単に付けられるようになっていた。建物の外側に設置するシートは近隣側に防音シートを設置する。こうすることで確実に騒音を漏れにくくする。2階では少し仕上げ材が張られていた。戸のサッシが溶接されている所がむき出しになって、授業で習ったものが生で見られてどうなっているのか理解しやすかった。教室と廊下を区切る間仕切りは木でできていて、きれいな木目に温かみを感じた。今、母校の小学校も工事しているので、西部中学校のようにヒノキをふんだんに使った校舎にしてほしいと思った。改築中の西部中学校は2階に昇降口があり、珍しいのでかっこいいと思った。3階ではまだ構造体がむき出しで、とても広い空間だった。ここに1、2階のように部屋ができていくのを想像したらわくわくした。この校舎には、渡り廊下ではなく校舎に囲まれた中庭があり、中庭がしっかりある校舎もいいなと思った。すべて見学させてもらった後に、質疑応答の時間がありさらに細かな所まで教えてもらった。3か所ある階段で、1か所はコンクリートで、他2か所は鉄骨なのはどうしてかという質問に、重量、価格など難しい大人の事情もあった。実際、鉄骨の階段は望ましくないということだった。浜松市の方が、どのように工事を頼む企業を選んでいるのかも教えてくれた。あるテーマを決め、各企業が自分のできることを提案するもので、アピール力と実績が重要だと感じた。この建物は、20年後に小規模、40年後に大規模改修をし、80年後まで使えるように設計されていた。かなり長く使われるよう設計されていると感じた。とても魅力的な外観と内装で中庭もありヒノキもたくさん使われていて、素敵な建築物になると感じた。今回学んだことを、今後、保育園のコンペ、卒業設計に生かしたい。

 

 私は、浜松市立西部中学校校舎改築工事さんの話を聞いて勉強になったことや驚かされたことがたくさんありました。最初に驚いたことは昇降口が一階ではなく二階にあったことです。入り口はだいたい一階にあるので、このようなこともあるのだなと思いました。今回の現場見学は一階と二階と三階で作業の工程が違っていたのですごくわかりやすかったです。一階の見学では、内壁にピンク色の発砲ウレタンという断熱材を吹き付けてあり、それを触ることもできました。触感はざらざらしていて少し力を入れて押すとまるで硬めのスポンジのようでした。吹き付ける下地がないところには、グラスウールという断熱材を用いていました。触ると数日かゆい状態が続くと言っていたので触ることはできませんでした。また、階段は折り返し階段になっていて各階に三か所ずつありました。階段がコンクリートで見事に形づけられていることに感動し、コンクリートで物を形成するということがとても楽しく見えてきました。二階の見学では、開口部に建具を取り付けてある状態を見せていただきました。現場の人が溶接をしているところも見かけました。案内の人にあまり直視しないようがいいと言われる前に見つけたので作業しているところを見ることができてよかったです。溶接をしているところを見るのは初めてだったのでこの作業も楽しそうだと感じました。三階の見学では、エレベーターの中の空洞を見ることができました。とても深くて落ちたらどうなるのだろうと感じました。一階も二階も三階も床にはたくさんの墨出しがされていてこうやって作業していくのかと感じました。今回の現場見学を通して、私は木造に興味を持っていましたが、コンクリートで建てられている建物も圧倒的存在感があってかっこいいなと思うようになりました。このような機会を設けていただき、本当にありがとうございました。

 

 今回は、林工・山平特定建設工事共同企業体の施工する改築工事の見学をさせてもらった。令和3年6月17日から令和5年6月16日までが工期の予定であり、主に施設の老朽化と機能低下の改善ともに良好な教育環境の確保を目的に行うものであった。
 施工を行う校舎棟は、鉄筋コンクリート造三階建てとなっており、現在は解体工事、基礎工事、躯体工事が終わり内外装・外構工事を行っていた。私たちが最初に話を聞いた場所が二階となっていた。各教室と階段のほとんどがコンクリートの打ちっぱなしとなっていて、開口部もほとんどの骨組みがむき出しになったままであった。本来開口部の窓枠はそのまままでおわるが、学校ということで窓枠に木材をくっつける工程が加わる。
 廊下の壁や天井はすべてコンクリートで作られていたが、場所によって微妙に色が分けられていた。
 改修工事中の校舎あちこちに貼られていた設計図は、私たちが普段書いている図面よりもさらに詳しく表記されていた。それは、改修工事を行う方のみでなく、電気や水道などの工事に携わる方にも理解ができるようにたくさんの情報が一枚の図面で必要だからと教えていただいた。また、いろいろな工事に係わる方々と同じ現場で働くためには、電気や水道などを表す図面を理解することも大切だと学んだ。
 工事現場の施工管理は、安全第一、お客様のニーズ、期間の厳守、決められた金額の範囲内での運営の4つが主に四大管理といわれている。その項目の一つである品質管理は、「構造、寸法、機能、デザインなどが設計図書通り品質を満たしているか、作業ごとに品質を確認しながら進めていく業務」というものである。品質を証明するために、各工事に対して写真を撮って記録していく。この一つ一つの作業に、お客様への信頼や利用者への安全性の確保も含まれていることだと思い、工事をしている方々の責任感を感じた。また、丁寧に工事を行うことはとても大切だが、工期の期間を守るために工事全体のスケジュールを作成・把握することで、より効率的に作業を進められるようになる。 設計から施工まで、作業の効率や費用、工期の期間をまとめて考えて管理しなければならないことを知った。
 今回見学させてもらった現場で、現在働かれている方々の話を聞いた。そこで、働いてから学ぶこともたくさんあると聞いた。また、男性の多い環境であるため、女性への理解がまだ浅いところがあり大変に思うこともあると聞いた。すべてを理解してもらおうとは思わないが、将来建築に関わった仕事をしたいと思っているため、そこに心配と不安を感じた。今回見学や先輩方の話を聞くことができて良かった。

 

 今回お邪魔した西部中学校はこれまでに見た現場の中で一番大きな建物だった。その中でも、三階は躯体のみ、二階は下地を張り出し、一階は仕上げ材を設置し出していたりと、工程に差があったのは面白いと思った。各階に違いがある事で、建物がどう変化しているか見ることが出来た。この西部中学校が出来るまで何年も掛かり、またそれを数十年か経ったら壊してしまう事に驚いた。そのことから工業高校の校舎は長年変わらず建っているのは凄い事なのかと思った。
 中は部屋の用途に合わせて壁の下地や、仕上げ材、断熱材、防音材などに異なりがあることを直に感じることが出来た。他にも普段の完成された建物では見ることが出来ない、配管の流れや、各部の溶接部などを見ることができた。作業がしやすいように建物全体にLEDが通っていたり、消火器が設置されていたりなど、安全面にも気が使われていた。職人さんたちもそれぞれが分担して効率よく行っていた。
 外は防音シートが張られていた。よく見る現場は全て囲まれてしまっているが、今回の現場はまだ途中で、二、三階部分は張られていない状態で、外から中を見ることが出来た。そこには固定型のクレーンが設置されているのが見えた。今回の場合、大規模で長期的な現場なため固定型のクレーンが使われている。今現在行われている、浜松工業高校の部室棟の改築など、小規模で短期的な現場の場合は移動可能なクレーン車が使われている。
 今まで見た現場と違い作業中の現場だったため、現場のリアルな雰囲気を味わうことが出来た。みんな明るく楽しそうにしていた。いつか自分もこんな風に仕事が出来ればと思った。さらに自分が最初から働いた現場を完成させるという達成感を味わってみたいと思った。聞いた話によると、地元は建てて、使われて、壊すまでを見ることが出来る。これは一つの大きなメリットだと思った。反対に県外の現場では、今回の西部中学校以上の規模で色々なところを転々とするのが基本で、これも地元とは違ったメリットだと感じた。西部中学校のようなとても大きな建物を扱ううえで、全てを把握するのは大変だと思った。把握するためにも、知識も必要だと思うので、今のうちにわかるところは身に着けていくようにしたい。
 将来、自分は現場監督の仕事に就きたいと思っている。そのため今回の経験はとても貴重なものとなり、より一層この仕事について興味を持ち、深くこの仕事について知りたいと改めて思った。特に仕事の全体の流れや、地元と県外での違いについて理解を深めていくようにしたい。この事以外にもわからない事、知りたいことなどを色々な手段で進んで調べていくようにしたい。

 *生徒全員から感想を頂戴しましたが、その中から抜粋して掲載させていただきました。