2004年4月
この季節には、卒業・入学など夫々に新たな生活がスタートする。先日、中学生を卒業する息子の卒業アルバムを見た。卒業生一人一人の顔写真が並んだ頁をめくっていて驚いた。何か感じが違う。大人の顔写真と何処か違う。何故だろう。何だろう。
一人一人を見ていると、どんな子か話したくなる。ああ、この子は頭のよさそうな顔をしているな。丁度、私の中学の同級生のI君のようだな。この子はきっと明るくて周りを賑やかにするだろう。恐らく、俺の時のK君のように違いない。・・・おお、この子の大人びた顔。睨まれたら怖そうだな。
その内に気がついた。皆、外にエネルギーを放っている。本人は意識しなくても、抑えきれない個性という光が輝いている。その輝きが、顔だけの小さな写真に過ぎないのに、何かを感じさせるのだろう。でも不思議なのは、大人の写真にはそのような印象を持たない。言わば、単なる紙に印刷された画像に過ぎない。迫ってくるものがない。大人になるに従って、自分という存在を意識下に収める術を身につけている、ということだろうか。
仕事が暇だと、いろいろ見えてくるものもある。
<I.M>