コラム「ちょんな」

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ちょんな 浜松建設業協会の総務・情報委員会メンバーによるコラムです。

2005年10月

 先日、神田昌典氏の書かれた『口コミ伝染病』という本を読み面白かったので其の一部を紹介します。

【口コミに関する一般教養テスト】

 問題:次の文章のうち、口コミに関して適切な記述と思われるものに○を、不適切な記述と思われるものに×をつけなさい。

 (  ) 顧客満足を高めることより、口コミは起こる。
 (  ) 商品品質をよくすれば、口コミは起こる。
 (  ) 良い口コミよりも、悪い口コミのほうが、早く伝染する。
 (  ) 口コミは、お客がするものである。
 (  ) 口コミは、どんな業界でも、最高の宣伝媒体である。

 答えは、全部×である。
 しかしながら、全部×というと、誤解を招くかもしれないので、説明を補足しておこう。
 上の記述は、一般的な商売人が、口コミに関して、なんとなく思っている見解だ。
 口コミは、勝手に起こる。だから一生懸命、真面目に仕事をしていればいい。そう思っていることが多い。真面目に仕事をしていれば、世の中に認められ、利益がついてくる。これは大金持ちが、雑誌に取材されたときに言うセリフである。
 なぜ成功者は、このセリフが好きか?そういって置けば誰からも叩かれないからである。金持ちが「いや〜、お金っていうのは、集まるところには集まるんですよ、ガーハッハッ〜」などと本音を言うと、日本では徹底的に叩かれる。
 成功者は、建前を言っているだけなのだ。それを正直に聞いてしまうと、勘違いする。「そうか、俺も真面目にやっていれば、そのうち成功できる」と、幻想を持ってしまうのである。
 「真面目に働けばいい」というのは、聞こえはいい。しかし、現実には楽な選択肢だ。誰からも叩かれない。そして、一生懸命、仕事をこなすという日常業務〜すなわち、頭を使わない労働〜を正当化する。
 頭を使わない労働は罪である。肉体労働とは、電話をとって、書類を片付けて、そして雑事に追われるという作業である。これは価値を生まない。そして、頭を使うより五倍楽な作業である。
 お金持ちは、体を使わず、頭を使う。だから日常業務をして「ああ忙しい」という金持ちを探すのは難しい。仕事をしないで、「年間の半分は旅行に行っています」という人ほど儲かっている。これが現実だ。

 常識に沿っていると、常識的な結果しか出せない。口コミについても、なんとなく常識を信じていると、本質が見極められない。そこで、一般的に信じられている口コミに関して脱・常識を試みることにしよう。
 我々を取り巻く建設環境も大変大きく変わりつつあります。時代に乗り遅れないように脱・常識を試みましょう。

<K.N>