コラム「ちょんな」

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ちょんな 浜松建設業協会の総務・情報委員会メンバーによるコラムです。

最新号 2026年8月

雑草魂

 隣家との境の通路。夏の強い日差しの下、好きな場所に根を張り伸び放題に伸びている草。そろそろ手を入れないと、と重い腰を上げた。
 しゃがみ込んで草むしりを始める。メヒシバ(イネ科で放射状に細い穂を伸ばす)、エノコログサ(猫じゃらしのような穂)、コニシキソウ(地面に這う草。茎を折ると白い汁が出る)、名前はわからないがよく見かける常連の草もいくつかある。一つ一つ眺めると葉の形が結構可愛かったり、ひっそりと清楚で小さな花をつけていたり。
 ふと、NHK連続テレビ小説「らんまん」の主人公にもなった植物学者である牧野富太郎氏の「雑草という草はない」という言葉が浮かんだ。この「雑草」はなんていう名前だろう?スマホを取り出し、グーグルカメラで検索をしてみた。クルマバザクロソウ、ハタガヤ、コスズメガヤ…。雑草たちの名前が次々と明かされ、雑草が名前の付いた草になってくる。立ち上がって周りを見渡せば、雑草は草として個々を主張している。
 それにしても、このうだるような夏の盛りに根を張り勢力を拡大する様は逞しい。「雑草魂」とか「雑草のように生きる」など、雑草をめぐる言葉は、力強くしなやかに生きる例えであり誉め言葉でもある。雑草、大したもんじゃないか、などと感心していたら、すっかり時間が経ってしまった。いけない、これでは草むしりが終わらない。
 後日、犬の散歩で近所の空き地を通りかかった。そこは数か月前、古い工場を解体し更地にした土地だ。解体直後に通りかかったときは何も生えていなかったが、現在は所々に緑の塊が見える。種子が風で運ばれたかのか鳥が運んだのか、高さ50センチ程に育ったそれはしっかり根を張り葉と穂を伸ばしている。あれは、オヒシバ。優し気なメヒシバと違い、根を深く張り、茎も穂も太く硬く、抜くのは相当難儀するんじゃないかな。がんばれ。私はオヒシバにエールを送った。

<S.N>